KING OF PRISM i love you,baby(第9話 アレク回感想②)
あまりに長くなってしまって、自分が一番驚いています。何であれ
愛が重い、と実生活でも良く言われます。中学生の頃、水をやりす
前編では、アレクがもともと持っていた真っ直ぐな想いを周囲から
http://turnerr.hatenablog.com/entry/2019/06/12/031734
後編では、そんなアレクが「見ていて下さい」と言ってショーを始
ここまでこのステージ上での口上は、自分を奮い立たせたり、決意
尊敬する人に、自分の今の姿を見て下さいというのは、すごく勇気
あ、ショーの前にご両親の姿を見つけて恥ずかしそうにするアレク
そして始まったショーは、うわ~~~~~~~全然違う~~~~~
そして不穏な動きをしつつ、少しずつ重心を下に下に持って行くア
あ~~~~~~~~~~~~~~回った~~~~~~~~~~~~
ここ本当に本当に本当に大好きで、タイガ「ふん、カヅキさんの真
エンターテイメントって、つまりそういうことなんだと思うんです
私たちは、自分とは違う人間が、歌ったり、踊ったり、演じたりし
そこから駆け出すタイガ、アレクがバトルスーツにチェンジしない
ここからは難しいことを考えない、男の子2人がスピードスケート
ショーが終わってカヅキへのメッセージ、これはキンプラとの対比
ここからはちょっとテンションを下げて。
劇場鑑賞時、アレクにマイソングがないのが本当に悲しかったんで
今もアレクにマイソングを!という気持ちは変わりませんが、TR
あと、次はショーを最後まで見たいな。
KING OF PRISM i love you,baby(第9話 アレク回感想①)
待ってました、大好きな大好きなアレク回。
初めてアレクを見たのは、友人に「とにかく常軌を逸した上映形態
事に疲れているなら行くべき」と進められ、金曜深夜に行った新宿
映画館で最速上映を見た際には、レオくん、ユウくんと続いてきて
時に同じような文脈で語られる、タイガとアレクの「ちゃらちゃら
よ」という姿勢。しかし、根っから不器用で硬派な性格から来るタ
レクの一途なまでの思いは、実は全く異なるものでした。幼少期に
ころを救ってもらった、自分の方は向いていなかったけれど、助け
のことを「ダチ」と言ってくれていた、それはとてもとても記憶に
助けてくれた人を英雄視するのに十分な出来事です。格好良い。と
れだけでも十分に格好良いのに、それがプリズムスタァ、ストリー
冷だった。それは、一人の人間への感謝以上に、「ストリートのカ
英雄視し、崇拝し、もちろんファンになる、そんな気持ちになりま
す。スナックと新聞はあまりマッチしないとはいえ、古新聞のよう
ん。大和家、スナックヘル、もしかして新聞読む慣習ないのでは。
黒川冷が載っている新聞をわざわざ買って、ママの前で読んでいた
そんな大好きで大好きな黒川冷が、楽しみに楽しみにしていた大会
ま表舞台から姿を消してしまう。ここから「僕がストリートのカリ
だ!」までの思考の飛躍は、正直凡人の自分には理解しきれない部
あのとき助けてくれた冷のように強くなるんだ→筋トレを始めたら
トリートのカリスマ」を名乗るプリズムスタァが現れる、しかも凡
た黒川冷とはスタイルが違う。あんな奴にストリートのカリスマは
分がその位置に付いてやる、というところでしょうか。書いていて
ていないのであと10回は見ようと思っているのですが、おそらく
ここまで真っ直ぐな想いを、言い換えれば理想を抱いた人間は、時
走します。「理想を抱いて溺死しろ」というのは私の大好きな言葉
うであってはいけないのです。死んでしまうほど頑なな気持ちは、
くて意固地であり、そして我が儘なのです。実際、前作ではその頑
大和アレクサンダー最大の理解者にして最大の味方、大和ヴィクト
出てしまえばしばらく帰ってこない旦那、ぜんそく気味の息子、日
分。彼女には彼女の苦労があったはずですが、それが語られること
せん。幼少期のアレクに「外行って遊んでなさい」と言ったり、浮
るアレクに同調するでもなく「何言ってんの?」と突き放したり、
勝を見に行きたいと駄々をこねるアレクに「そんなお金うちにはな
り、ヴィクトリアは「息子にただひたすら手をかける、様々なもの
イプの親ではありません。それでも、幼少期の写真を職場に飾った
まま出ていこうとするアレクにカレーを出してくれたり、「育って
い」と言ったり、香水の香りがアレクに移ってしまうほどのアツい
メたり、大会前にエールを送ったり、ヴィクトリアが画面に映るす
彼女のアレクへの愛情が溢れ出していました。アレクも年頃らしく
んと母の愛情には気付いているのでしょう。EZ DO DANCEーアレクverーの出だしと母の指輪が同じだったり、母のネックレスとアレクのバンダナの留め具
そしてもう一人、大切な存在、黒川冷。アレクの理想の存在として
場面でちゃんと出てきて、アレクに必要な自己肯定感を与え、アレ
に引き上げてくれた、まさに恩師。
黒川冷の登場はカツアゲにあっていたアレクを助けるところからで
ずアレクの自己肯定感の端緒となっているのでは、と思っています
は(今もかもしれないけれど)完璧に「ハーフ」です。金髪碧眼(
い者いじめをする者にとって、「違う」というのはわかりやすく標
できる、免罪符のようなものです。絶対に免罪符ではないのですが
アゲの、いじめのターゲットになったアレクを救い出し、「ダチ」
川冷は、実はレオくん回で私たちが涙した「みんなと違ってもいい
から体現していた存在であり、そうやってアレクを「偏見」や「生
ものからも救ってくれたのではないかと思いました。それがあのシ
黒川冷はまさに「救世主」です。
そして大黒ふ頭で再会した際の、名言の数々。すべて文字に起こし
い、でもそろそろ長くなってきたのでこの感想の終わりも考えない
かくとにかく大好きの言葉しかないのですが、何よりも何よりも、
Yo」に本当に泣きました。今までアレクにこんなこと言ってくれ
そして「今までの自分とは違う」とアレク自身が自分との決別宣言
これまでの私たちと決別して、後半へと突入します。
KING OF PRISM 好きとか理想とか現実とか(第7話レオ回感想)
第7話、レオくん回。本当に、なにから書けばよいのか…いくらで
レオくんは本当に優しいですよね。男らしくなりたいとの決意は、
好きを好きと言えない気持ちはとても苦しいものでしょう。あるべき自
ありのままの姿をエーデルローズの人たちが受け入れてくれた、と
レオくんがエーデルローズに入って、「男らしく」と試行錯誤しながら、楽しく幸せな生活を送り「ちゃんと学校に行ける」ようになったのは、間違いなくエーデルローズで共に暮らす仲間たちのおかげでしょう。あのまま北海道にいたら、きっとこの未来はなかった。ただ、これは単にレオくんが幸運だったからだとはわたしは思いません。
人は、生まれる場所や家族を選ぶことは出来ません。ただ、成長するにつれて人生の自由度は高くなっていくし、生きていく場所は選べるようになります。通う小学校はあらかじめ決まっていたとしても、中学や高校や、その後生活する土地、大学や学校、会社は自分で選ぶことができます。それは、たとえ小学校で馴染めなくても、年齢を重ねる毎に、選択肢が増える毎に、自分を周りに合わせるのではなく、自分に合う環境を自分で選べ取れるようになるということだと思っています。周囲の環境を自分に最適化する自由を、わたしたちは皆持っているのです。もちろん幼少期に馬の合う人と出会い、竹馬の友として一生仲良くいられることもあるでしょう。ただ、歳を重ねてから出会う友人の方が深く仲良くなれることがあるとしても、それはある意味当然のことです。自分で選ぶことができた友人なのですから。
だからレオくんがエーデルローズで気の合う仲間たちと出会えたのも、決して特別なことではないのだと思います。何が言いたいかというと、形は違えどこういう周囲の環境の最適化は現実世界でも誰にでも起こることだから、だから今いじめや自分の好きが否定されて辛い子供がいたとしても、全然レオくんが特別ではないのだと思ってほしい、まだ人生を諦めないでほしい、だからKING OF PRISM -shiny seven stars-を見てほしい、特に7話は全人類に見てほしいということです。
話が逸れました。
「本当の私を見て下さい」から始まるプリズムショーは涙なしでは
ただ、わたしは割と「好きなものは好き、何が悪い」「これで友達やめる
わたしにも「なりたい自分」「理想の自分」があります。今の自分
レオくん回は言いたいことがいっぱいあります。でも、この辺にし
レオくん、ありがとう。わたしはレオくんのプリズムショーが見ら
です。
KING OF PRISM 求められる自分の探し方(第6話 ミナト回感想)
KING OF PRISM スタァになるということ(5話ジョージ回感想)
何度でも見たいジョージ回。他に大好きなスタァはいれど、お当番回としてはジョージ回が1番好き。あまり順番を付けるのは好きではないけれど、それでもジョージ回は1番好き。田舎から出ること、東京という街への憧れ・期待、何かを選びその他を捨てるということ、そして、その裏にはスタァになりきれない男がたくさんたくさんいること。似た境遇にある人間の心を滅多刺しにする回だと思います。
第2章は名前がテーマの章だと思う、という感想を前回カケル回でさせていただきました。
ジョージは本川則之を捨てて、高田馬場ジョージとしての人生を自分で選びます。いつか一男に向き合わなければならない、と言いながらカケルを名乗る十王院とは対照的です。
今まで見たことのなかったフォルムの本川則之くんから発せられる言葉は、見た目のインパクトとは全く違う種類の衝撃でした。「こんな街嫌いじゃ」「東京に出るんじゃ」「法月仁はすげえんじゃ」「法月仁の下でスタァになるんじゃ」…田舎で生きる息苦しさ、閉塞感、東京に出ればこんなものから解放されるはずだという期待、それらは「こんな街嫌いじゃ」の気持ちと相まって、本川則之くんに本川則之を捨てさせ、高田馬場ジョージとしての道を選ばせるに十分なものだったでしょう。
人間の評価軸は、成長とともに変化していきます。小学生のときは足が速い男の子に人気が集まり、中学生では悪い男の子に、高校生では…と、人気のある男の子のタイプが変化していく現象は、強弱はあれど誰もが体感したことのある現象だと思います。そして、田舎であればあるほど、コミュニティが濃密であればあるほど、初期の出遅れは致命的です。小学生の時に「そういうやつ」にされてしまえば、中学でも高校でも、小学生の頃の自分を知っている人間がいる限り「そういうやつ」で居続けさせられる。そこからの一発逆転は本当に困難で、よほどの「何か」が必要になります。恐らく高校に上がったと思われる本川則之くんの(小学生時代とは違った意味での)衝撃的なビジュアルも、そうであるなら一定納得が出来ます。「こんなところ嫌いだ」「こいつらとは違う人間になる、東京に出てこいつらより良い生活を送る」と言って少しずつ少しずつ田舎から離れて東京に出て来た人間として、岡山時代の回想と、それに対比される高田馬場ジョージの東京での華やかさ、そして「のりくんはすげぇんじゃ」と全てを肯定してくれるミヨちゃんに、どれだけ映画館で救われたことか。何度観ても涙を流さずにはいられない、個人的にとても強く感情が揺れるシーンです。
ジョージの「プリズムスタァとしてのプロ意識の高さ」が随所随所に見られることは、他の方々が指摘されている通りだと思います。それは、エーデルローズのスタァ候補生たちが1人の人間として思い悩みながらスタァ候補生としても個人としても成長していくのとは対照的に、ジョージが個人的な悩みも葛藤も人間的成長も既に過去の物として乗り越えて、スタァとしてのみ生きていく覚悟を決めた人間だからなのだと思います。おそらく彼の中に残った最後の「本川則之」がミヨちゃんだったのでしょう。ミヨちゃんの結婚宣言により半ば強制的に「本川則之」を剥がされたジョージが、ぼろぼろになりながら「俺を誰だと思ってる。The シャッフルの高田馬場ジョージだ!」とステージに向かった瞬間、彼はスタァ高田馬場ジョージの1つの最終形に到達したのだと思います。だとすればジョージのスタァとしての段階は、明らかにエーデルローズ候補生からひとつ上にいます。そう思うと、ショーの高得点も全く違和感はありません。エィスと2人で飛んだからだ、という解釈もありますが、単純に今の段階ではスタァとしてジョージが頭ひとつ抜けているからかな、というのがわたしの気持ちです。
また、ジョージ回は、ジョージの成長だけでなく裏番組的にエィスの成長物語としても機能しているのだと思います。「俺が歌わなければジョージなんて」から、「ジョージが俺の歌を待っている!」までの気持ちの変化はまさに心の飛躍、プリズムジャンプ。
シュワルツローズに所属する際、おそらく歌唱力のみを法月仁から認められ、ジョージのゴーストシンガーとしてのみ表舞台に出ることを(出てないけど)許されたエィス。それを受け入れられていない、自分だってジョージのゴーストシンガーではなく1人のプリズムスタァなのだと考えているような描写が前半には多く見られます。ジョージの焼肉弁当を食べたり、ミヨちゃんの前でジョージの秘密をばらしそうになってしまったり。そんなエィスが「ジョージと自分とは『格』が違う」という事実を目の当たりにする瞬間がありました。一つは、ミヨちゃんに壁ドンをキメたシーン。ミヨちゃんは「のりくんはうちのスタァなんよ」と言ってエィスに背を向け、ジョージのところへ走り出す。「スタァっていうのは、このタイミングで登場できる男のことを言うんだよな…」とジョージのスタァ性と同時に自分の平凡さを悟るエィス。エィスだってそれなりにプライドがあります。自分だってジョージの代わりにステージに立つことができる、自分なしではジョージはステージに上がれないとさえ思っているわけです、この時点では。そんな彼が自分の平凡さに「気付かされる」この瞬間は、5話屈指の名シーンだと思っています。結局ここでも自分が平凡であると悟るエィスを通じて、ジョージのスタァとしての非凡さ、圧倒的なスタァ性を裏からも描いているのです。
こうしてエィスの気持ち、プライドを揺さぶっておいて、「俺を誰だと思っている。The シャッフル、高田馬場ジョージだ」が来るわけです。ジョージをジョージたらしめる「意志」、天性の輝きだけではない、鋼のような意志と努力に裏打ちされたスタァとしてのジョージ…更にダメ押しの音響トラブル(仲間割れ)と、それに気を留めずスタァとしてのパフォーマンスをやり切ろうとするジョージ…もういいよ!ジョージがすごいのはよく分かったから!こっちの気持ちが持たないよ!こっちは平々凡々な人間だから、エィスくんにもそれなりに感情移入しているんだよ!!!!!
とはいえ、ジョージが本川則之を捨てて高田馬場ジョージとして生きていくということは、強さと同時に弱さも内包させてしまっているというのもまた事実だと思います。本人にとって消したい過去であっても、捨てたい自分であったとしても、その頃がなければ、その頃の感情や努力や、苦しみや怒りがなければ今の自分はいません。どんな過去も現在の礎になっているし、だからこそ過去を完全に捨てることなど出来ず、過去から目を背け続けるといつかどこかでぐらぐら揺れてぽきっと折れてしまいます。ラーメン屋さんでミヨちゃんが指摘してくれた「こんなことで揺らいだとしたら、迷っとんのはのりくんの方じゃろ」はまさに高田馬場ジョージの弱さを突いた、幼馴染だからこそ見える、言える言葉だったのかなと思います。ジョージ、いつかは過去の自分も受け入れて、ミヨちゃんに「本川則之の頃から応援してくれていてありがとな」って言えるといいな…
ショーでエィスの目線が帽子で隠れているのはやっぱり影の存在だからなのかなとか、ジャンプを跳んだあと着地が出来ていないところはやっぱりスタァとしては今一歩なのだなとか、そういう話はこのくらいにしておきます。何故なら長くなりすぎてしまうから。きっと他の方がたくさん考察して下さっていると思うので、色々読みたいなと思います。
一つだけ、最後に一つだけ。ミヨちゃんはお昼ごはんに何をリクエストしたと思いますか?わたしどうしても分からなくて…
「ラーメンが食べたい」だと、あのお店には連れて行かない気がするんです、ジョージは。ミシュランいくつ星とか、東京でしか食べられない変わったラーメンとか、そういうのに連れて行きそう。だって東京でのジョージのエスコートは、徹頭徹尾「ミヨちゃんの見たいもの」よりは「ジョージがミヨちゃんに見せたいもの」だったじゃないですか。
だから、ミヨちゃんのリクエストは「ラーメン」ではなかったのかなと思っていて。例えば「東京でのりくんが初めて入ったお店」とか。「実はこっそり行きつけにしているお店」とか。そういう感じなのかなって思ったんですが、何の根拠もないので。エリートの皆さんはどう考えているんだろうって…ご意見聞かせていただければ幸いです。特に意味はないです、ただの興味です。でも、色んな人の考察とか感想読むの、楽しいじゃないですか。ね。
KING OF PRISM 愛をくださいZOO(4話カケル回感想)
ふざけたタイトルにしてみました。箱推しだけど、アレクの女だけど、エデロで誰か選べと言われたらカケル。そんなわたしの見た、カケル回感想です。
まずは、無事に放送されてよかったですね。劇場上映後色々あった回でしたので、テレビ放送されてホッとしました。でもこの話はこれで終わります。
4話カケル回、劇場では第2章の始まり、ヒプマイコラボ後見に来て下さった方々がおそらく初めて目にしたKING OF PRISM、そして令和が始まって最初の回。これだけ初めてが揃うとなんだか嬉しくなっちゃいますね。きっとそういう役割を与えられた回だったのだろうと思います。
第2章は3つのお話のテーマがたぶん近くて、「名前」なのかなと思いました。カケル回は、カズオとカケルについて。副題も「愛と共に翔ける」で、今の彼を表す完全な8文字だなと感動しました。アイキャッチは万太郎の「最近は目先の利益にとらわれて〜」につながるし、相変わらず仕事が細かい。
いきなりマダガスカル。財閥の専務取締役なのは知っていたけれど、マダガスカルにも会社あるの?規模感が違う、想像もできない。辞令を告げられたとき、最後まで返事をしないカケルが印象的でした。
家族シーンでは、お母さんの目がカケルにそっくりで。十王院家の血は、お母さんからカケルにしっかり流れていったんだなと思いました。ユキさまのお家も婿養子でしたよね。ちょっとネタバレですが、ミナト回も。何かあるのかい?
マダガスカルで王族の末裔に出会ったカケル。自分は王族の末裔であり、「いつか僕が、王国を再建するんだ」と強い目で語るメリナに対して、跡継ぎであるという立場を重々理解していながら、本社にはもう戻せないかもしれないと父に言われてマダガスカルに出て来たカケルは、少し険しい顔をメリナに向けるのみで返事をしません。見ていてとてもつらいシーンでした。カケル、何を思っていたんだろう。
メリナの「世界で一番きれいな景色はどこか知っているかい」は、やっぱり色々な受け止め方があると思います。奢りと言われるかもしれないけれど、でも私たちが安い労働力を買い叩いてきたのは事実。いきなり社会問題を入れてくる監督の勇気もすごいですね。わたしたちは慌ててプリリズADやDMFを見るだけでなく、社会の勉強もする必要があるのかもしれません。
余談ですが、非公式ファンクラブ会報は「はばたき。」誰が付けたんだろう、センス良いですよね。
カケルの過去は壮絶でした。そんなことある?というか制服何色あるの?なんで手のところに「王」って入れちゃうの?首元のあれも「王」なの?どれだけ王好きなの?
でも、「自分には後継は務まらない」と思えるのは、自分は後継者であるという自覚と覚悟があるからですよね。中学生ですよ、この人。どれだけ早熟というか、たくさんたくさん色んなことを経験して考えていたんだろうなと思いました。カケルがエデロの中で「大人になりすぎる」瞬間がたくさんありますが、こういう下地があったんだなと…でもそんなに無理しなくていいんだよ…涙
「愛があるなら確かめてみたい、そして飛びたい。」エデロの門を叩いたときのカケルの言葉です。これ上手いなと思ったのは、前半だけだと、穿った見方をすれば、祖父から経営には愛が必要だと説かれたけれど分からないしなんか愛の数値カンストするプリズムショーというものを見つけたから勉強しよう、みたいな、経営者としての判断にも聞こえてしまう。でも、「そして飛びたい」が入ることによって、そうじゃなくてこれはプリズムスタァとしての決意、覚悟なんだと分かる。細かい台詞回しで出来る限りミスリードを減らしていくスタイル、これは天才の仕業だ。
一方日本では、カケルはなんでカケルなの?という、みんな感じていた疑問に答えが出ていました。タイガ回ではお姉ちゃんが色々と話してくれましたが、カケル回で話してくれたのはユキさま。もー不器用ブラザーズだなータイガとカケルは。
でも結局、ユキさまが話してくれたのは「エデロに入ったときから本人はカケルって名乗りたがっていたよ、本名だと活動しにくいというそれっぽい理由を教えてくれた後、それと飛びたいんだよね…って言ってたよ」という、それだけなんですよね。分かったような、分からないような。
ここ、このだらだら感想の中で一番言いたいんですけど、このユキさまからのエピソードトークを聞いてなお、この6人は違うことを考えていて、違う景色を見ているんですよ。怖くないですか、ねぇ監督、なんでそんなことするの?
「普段はチャラチャラした風を装っているけれど、根は真面目だからな」というミナト、これは「飛びたいという気持ちに向き合い、『飛ぶ』という意味に取れるカケルという名前を付けた、カケルはすごいな、真面目だな」という気持ちですよね。前向き。
その一方でユキさまのお言葉がこちらです。
「十王院の看板を背負うのは、なかなかの重圧なんだろう」
後ろ向き!!!!!ユキさまにとってのカケルという名前は、「明らかに跡取りである人間に付けられた『一男』という名前、そこから逃げたくなることもあるよね、経営者のときはカズオなんだろうけど、スタァ候補生の彼はカケルなのだろう」みたいなそういう見え方なんだなと。それはもちろん国立屋を背負って立つユキさまだからそう見えたのだろうし、実際カケル自身そういう面もあるのだろうと思います。そのあとマダガスカルでそういう趣旨のこと言っていましたしね。今はまだ一男に向き合えていないけれど…って。でもユキさまそれいま無邪気に言わなくていいじゃん!タイガ回で7人の距離は縮まったように思っていましたが、やっぱり根本的な違いはもちろんあるのだと、改めて感じさせられました。育ってきた環境が違うから、すれ違いは否めない。図らずも、ミナトと言えば、セロリ。
そして始まるプリズムショー。え、別にいいけど…で始まるのがカケルらしいというか。別の場所で行ったプリズムショーをプリズム1でもやるという構成は、タイガのときと同じです。だからこそ余計に、タイガの力強い覚悟との対比が面白いなと思いました。さっきまで着ていたお洋服に、おそらくその辺の大きくてきれいな葉っぱやお花を付けて衣装にしたのでしょう。どこからか現れた動物さんたちも観客。動物さんたちがみんな二匹ずつなのは、ここがただの動物園ではなく、自然保護施設の役割を担っているからだという考察をどこかで読みました。オスメスを保護・飼育して、繁殖させる。なるほど、すごく納得できる設定だなと思ったので、触れさせていただきます。
プリズムショーの口上は、「十王院カケル、飛んでみせる!」
副題と口上は、ユキさまとタイガの時は同じでした。カケルは違う。意味があるのかないのかは分かりません。「愛と共に翔ける!」って言うのかなと少し期待していたのですが、飛んでみせる!もかっこよかったので良かったです。
そしてプリズムショー。いやー顔が良い。現実世界でも大好きなクリムキンイーグル。スタイルが良い、顔が小さくて脚が長い。そして吹き出す天然ガス。「天然ガスが、出たーっ!」「yo daddy, I did it!」のスピード感。吹き出す札束。どんどん伸びていく黄金色のビル。舞い散る札束。リズムに合わせて合いの手を入れてくれる動物さん。最高。ここのショー部分だけ毎日見ています。会社に行く前と帰って来たあと。そんなことをしていたら、随分感想書くのが遅くなりました。
「王に選ばれし者、オレンジのフラミンゴの祝福を受ける」の解釈は色々な方が色々なことを言っていて、きっとおそらく唯一の正解というわけではなくてどれも正しいみたいなそういう着地なのだろうと思ってはいるのですが、わたしはカケルとメリナがお互いに王かつ王に選ばれし者で、オレンジフラミンゴは天然ガスだと思っています。そう思う理由はたくさんあるのですが、長くなるのでひとつだけ。だって景気良いじゃん!
ちなみにカケル、プリズム1のステージだといつの間にかステージ移動していて、最初メインステージでショーを始めるんですけど、最後砂漠のゴールドラッシュワンナイトヘブンのときはセンターステージにいるんです。ビルがにょきにょき生えたあと、斜め上からのアングルの時にカケルの後方にオレンジサイリウムの波が見えます。フィギュアスケートだとリンクを広く使った方が良いみたいな価値観があるのですが、プリズムショーでもそういうのあるのかな。ステージ広く使うと煌めきアップ!観客目線で言えば、単純に近くに来てくれると嬉しくて心が煌めくので、それで得点ちょっと増えたりはしていそうかな、と思いました。
続けましょう。ミナトとタイガが思わず「カケル」と言ってしまうシーンも良いですね…今までこの2人はカズオ呼びだった、それはたぶん、カケルと呼ばれたい理由を知っていながらも、親からもらった名前は大事だぞとか、スタァじゃなくて友人としてはカズオだろとか、そういうことなんじゃないかと思うんです。そういうこと言いそう。(どこかで公式から答えが出ていたらごめんなさい、無知なので教えてください。)でも、そういう「考えてのカズオ呼び」みたいなものを飛び越えて「これはスタァの十王院カケルなのだ!」と熱い気持ちから思わず叫んでしまった「いいぞカケルー!」が最高で…カケル…ジャンプも飛んだし、立派なスタァなんやで…
ラストシーン、レオくんに抱きつかれ、仲間に囲まれたカケル、笑顔とは慈しむような、優しい、包み込むような顔をしていましたね…写真にしたい、引き伸ばして額縁に入れて壁に飾りたい。アニメ版ではそのあとにこっと笑うラストに変わっていましたが、あれはどういう意図なのかな…いや、どっちも好きです。でも額縁に入れたいのは笑顔になる前の顔の方。
ここまで長々と感想書いて来ましたが、それでも、今までの2人に比べて明らかに「薄い」回だったという印象はやはり拭えません。一言で言えば、食事もお風呂も見てない。
カケルの過去語りは、東京ではユキさまから、カケル自身の口からは、仲間たちから遠く離れたマダガスカルにおいて、メリナ(とリビングストンさん)という初めて会った人に対するものでした。カケルが腹を割って仲間たちに本音を話す、情けないところを誰かに見せる機会はありませんでした。カケルは個人的に階段をひとつ登った感はありますが、それはメリナやリビングストンさんの力を借りたもので、6人との共同作業はありません。劇場で見たときは、なんだかなーもうちょっとなーと思ったのが正直な感想ですが、今はもうわたしは第4章を見た世界線に来てしまったので、そういうこともありなのかなと思っています。まだ7人を強くする余地を残しているのだと。まぁ分からないですが。でもやっぱり、カケルがこれからエデロの仲間とぶつかったり本音を話したり、もっとたくさんジャンプを跳んだりするところ見たいので、やっぱり続き見たいな…監督…2期を…2期をお願いします…
カケわかという世界線
カケル回の感想を書こうと思っていたんです。
本当です。
始まりは些細なことで、カケルのショーってわかなと似てるなって、足元細かいステップを重ねるあたり似ているなって、それだけだったんです。
そこから止まらなくなりました。
「わんばんこー」という軽い挨拶が同じ
にゃーにゃー言うのが同じ
ω ←こういう口が同じ
人との距離を一定取ってしまうところが同じ
親の無茶ぶりに困った顔をして笑うところが同じ
同じじゃーーーーーん
この2人、とても同じじゃーーーーーん
歳、一緒?わかなが一個上?
「ちゃんわかの気持ちは知ってるけど、俺っちちゃんわかのこと好きになっちゃった。返事今すぐにはいらないから、ちょーっち考えといて〜☆」みたいな軽めの告白をカケルからしてほしいし、軽く見せているだけで裏ではすごく思い詰めていてほしい、高2組に赤面しながら「言っちゃった…」って告げてほしいし、2人は優しく包み込むような笑顔でカケルの想いを肯定してほしい、わかなは「にゃーーーーー?!?!?!」って言いながら思い悩んでほしい、夜に「どうしよう…」って言いながらエスニをつんつんしてほしい、1年くらい返事を待たせてほしい、その間あんに「わかなー!カヅキ先輩がどこどこにいるんだってー!一緒に行こうよー!」って誘われても適当にもごもご言って行かないでほしい、それで「カヅキ先輩もこんな気持ちだったのかな…」ってまた夜中に思い悩んでほしい、最終的にはお付き合いすることを決めて真っ赤になりながらお返事してほしい、それを聞いたカケルにも真っ赤になってほしい、ストレートに愛情表現するのもストレートな愛情表現を受けるのも苦手同士で悩みながら日々を過ごしてほしい、付き合ったあとカケルがいるとわかなの様子が少しおかしいことに気付いたべるとおとはに「わかな、もしかして…」「メルヘーン♡」ってからかわれてほしい、でもべるもおとはもすごく喜んでくれて応援してくれて、2人にそんな風に喜んでもらえることをとても喜ぶわかなが見たい、なぜか敏感に様子を察知するなるちゃんが6人一緒の場で「わかなちゃん最近はぴなるだよね〜っ」って無邪気にバラしてほしい、そして露ほども気がつかなかったあんには「えーーーー?!?!?!いつの間にーーー?!?!?!」ってすごくびっくりしてほしい、いとちゃんは何でもないふりしながらあとでこっそり2人で「エデロオバレあるあるネタ」みたいなのをひっそり話して笑い合ってほしい、お付き合いが始まってしばらくしたらカケルは夜に1人で練習しているときに唐突に胸キュン体験きゅんきゅんきゅんを跳べるようになってほしいし、たまたまリンクに来ていたタイガはそれを見てびっくりしてほしい、わかなは3人で練習しているときに跳んで、べるとおとはに優しく微笑みながら祝福されてほしい(ここまで一息)
感情のままに殴り書きしてしまった
しれっと追記
わかなとカケルがお付き合いしていることを知ったあんちゃん、その場では「そっかーじゃあカヅキ先輩はわたしがもらっちゃうねっ」みたいな不用意なこと絶対言わないけれど、お家に帰って夜ひとりになったときにふと「わたしはこのままカヅキ先輩のこと好きでいいんだよね…?」みたいな謎の感情にもやもやしてほしい