そして明日も生きようと思う

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KING OF PRISM 愛をくださいZOO(4話カケル回感想)

ふざけたタイトルにしてみました。箱推しだけど、アレクの女だけど、エデロで誰か選べと言われたらカケル。そんなわたしの見た、カケル回感想です。


まずは、無事に放送されてよかったですね。劇場上映後色々あった回でしたので、テレビ放送されてホッとしました。でもこの話はこれで終わります。


4話カケル回、劇場では第2章の始まり、ヒプマイコラボ後見に来て下さった方々がおそらく初めて目にしたKING OF PRISM、そして令和が始まって最初の回。これだけ初めてが揃うとなんだか嬉しくなっちゃいますね。きっとそういう役割を与えられた回だったのだろうと思います。


第2章は3つのお話のテーマがたぶん近くて、「名前」なのかなと思いました。カケル回は、カズオとカケルについて。副題も「愛と共に翔ける」で、今の彼を表す完全な8文字だなと感動しました。アイキャッチは万太郎の「最近は目先の利益にとらわれて〜」につながるし、相変わらず仕事が細かい。

いきなりマダガスカル。財閥の専務取締役なのは知っていたけれど、マダガスカルにも会社あるの?規模感が違う、想像もできない。辞令を告げられたとき、最後まで返事をしないカケルが印象的でした。

家族シーンでは、お母さんの目がカケルにそっくりで。十王院家の血は、お母さんからカケルにしっかり流れていったんだなと思いました。ユキさまのお家も婿養子でしたよね。ちょっとネタバレですが、ミナト回も。何かあるのかい?


マダガスカルで王族の末裔に出会ったカケル。自分は王族の末裔であり、「いつか僕が、王国を再建するんだ」と強い目で語るメリナに対して、跡継ぎであるという立場を重々理解していながら、本社にはもう戻せないかもしれないと父に言われてマダガスカルに出て来たカケルは、少し険しい顔をメリナに向けるのみで返事をしません。見ていてとてもつらいシーンでした。カケル、何を思っていたんだろう。


メリナの「世界で一番きれいな景色はどこか知っているかい」は、やっぱり色々な受け止め方があると思います。奢りと言われるかもしれないけれど、でも私たちが安い労働力を買い叩いてきたのは事実。いきなり社会問題を入れてくる監督の勇気もすごいですね。わたしたちは慌ててプリリズADやDMFを見るだけでなく、社会の勉強もする必要があるのかもしれません。

余談ですが、非公式ファンクラブ会報は「はばたき。」誰が付けたんだろう、センス良いですよね。

カケルの過去は壮絶でした。そんなことある?というか制服何色あるの?なんで手のところに「王」って入れちゃうの?首元のあれも「王」なの?どれだけ王好きなの?

でも、「自分には後継は務まらない」と思えるのは、自分は後継者であるという自覚と覚悟があるからですよね。中学生ですよ、この人。どれだけ早熟というか、たくさんたくさん色んなことを経験して考えていたんだろうなと思いました。カケルがエデロの中で「大人になりすぎる」瞬間がたくさんありますが、こういう下地があったんだなと…でもそんなに無理しなくていいんだよ…涙

「愛があるなら確かめてみたい、そして飛びたい。」エデロの門を叩いたときのカケルの言葉です。これ上手いなと思ったのは、前半だけだと、穿った見方をすれば、祖父から経営には愛が必要だと説かれたけれど分からないしなんか愛の数値カンストするプリズムショーというものを見つけたから勉強しよう、みたいな、経営者としての判断にも聞こえてしまう。でも、「そして飛びたい」が入ることによって、そうじゃなくてこれはプリズムスタァとしての決意、覚悟なんだと分かる。細かい台詞回しで出来る限りミスリードを減らしていくスタイル、これは天才の仕業だ。

一方日本では、カケルはなんでカケルなの?という、みんな感じていた疑問に答えが出ていました。タイガ回ではお姉ちゃんが色々と話してくれましたが、カケル回で話してくれたのはユキさま。もー不器用ブラザーズだなータイガとカケルは。

でも結局、ユキさまが話してくれたのは「エデロに入ったときから本人はカケルって名乗りたがっていたよ、本名だと活動しにくいというそれっぽい理由を教えてくれた後、それと飛びたいんだよね…って言ってたよ」という、それだけなんですよね。分かったような、分からないような。

ここ、このだらだら感想の中で一番言いたいんですけど、このユキさまからのエピソードトークを聞いてなお、この6人は違うことを考えていて、違う景色を見ているんですよ。怖くないですか、ねぇ監督、なんでそんなことするの?

「普段はチャラチャラした風を装っているけれど、根は真面目だからな」というミナト、これは「飛びたいという気持ちに向き合い、『飛ぶ』という意味に取れるカケルという名前を付けた、カケルはすごいな、真面目だな」という気持ちですよね。前向き。

その一方でユキさまのお言葉がこちらです。

「十王院の看板を背負うのは、なかなかの重圧なんだろう」

後ろ向き!!!!!ユキさまにとってのカケルという名前は、「明らかに跡取りである人間に付けられた『一男』という名前、そこから逃げたくなることもあるよね、経営者のときはカズオなんだろうけど、スタァ候補生の彼はカケルなのだろう」みたいなそういう見え方なんだなと。それはもちろん国立屋を背負って立つユキさまだからそう見えたのだろうし、実際カケル自身そういう面もあるのだろうと思います。そのあとマダガスカルでそういう趣旨のこと言っていましたしね。今はまだ一男に向き合えていないけれど…って。でもユキさまそれいま無邪気に言わなくていいじゃん!タイガ回で7人の距離は縮まったように思っていましたが、やっぱり根本的な違いはもちろんあるのだと、改めて感じさせられました。育ってきた環境が違うから、すれ違いは否めない。図らずも、ミナトと言えば、セロリ。


そして始まるプリズムショー。え、別にいいけど…で始まるのがカケルらしいというか。別の場所で行ったプリズムショーをプリズム1でもやるという構成は、タイガのときと同じです。だからこそ余計に、タイガの力強い覚悟との対比が面白いなと思いました。さっきまで着ていたお洋服に、おそらくその辺の大きくてきれいな葉っぱやお花を付けて衣装にしたのでしょう。どこからか現れた動物さんたちも観客。動物さんたちがみんな二匹ずつなのは、ここがただの動物園ではなく、自然保護施設の役割を担っているからだという考察をどこかで読みました。オスメスを保護・飼育して、繁殖させる。なるほど、すごく納得できる設定だなと思ったので、触れさせていただきます。

プリズムショーの口上は、「十王院カケル、飛んでみせる!」

副題と口上は、ユキさまとタイガの時は同じでした。カケルは違う。意味があるのかないのかは分かりません。「愛と共に翔ける!」って言うのかなと少し期待していたのですが、飛んでみせる!もかっこよかったので良かったです。

そしてプリズムショー。いやー顔が良い。現実世界でも大好きなクリムキンイーグル。スタイルが良い、顔が小さくて脚が長い。そして吹き出す天然ガス。「天然ガスが、出たーっ!」「yo daddy, I did it!」のスピード感。吹き出す札束。どんどん伸びていく黄金色のビル。舞い散る札束。リズムに合わせて合いの手を入れてくれる動物さん。最高。ここのショー部分だけ毎日見ています。会社に行く前と帰って来たあと。そんなことをしていたら、随分感想書くのが遅くなりました。

「王に選ばれし者、オレンジのフラミンゴの祝福を受ける」の解釈は色々な方が色々なことを言っていて、きっとおそらく唯一の正解というわけではなくてどれも正しいみたいなそういう着地なのだろうと思ってはいるのですが、わたしはカケルとメリナがお互いに王かつ王に選ばれし者で、オレンジフラミンゴ天然ガスだと思っています。そう思う理由はたくさんあるのですが、長くなるのでひとつだけ。だって景気良いじゃん!

ちなみにカケル、プリズム1のステージだといつの間にかステージ移動していて、最初メインステージでショーを始めるんですけど、最後砂漠のゴールドラッシュワンナイトヘブンのときはセンターステージにいるんです。ビルがにょきにょき生えたあと、斜め上からのアングルの時にカケルの後方にオレンジサイリウムの波が見えます。フィギュアスケートだとリンクを広く使った方が良いみたいな価値観があるのですが、プリズムショーでもそういうのあるのかな。ステージ広く使うと煌めきアップ!観客目線で言えば、単純に近くに来てくれると嬉しくて心が煌めくので、それで得点ちょっと増えたりはしていそうかな、と思いました。

続けましょう。ミナトとタイガが思わず「カケル」と言ってしまうシーンも良いですね…今までこの2人はカズオ呼びだった、それはたぶん、カケルと呼ばれたい理由を知っていながらも、親からもらった名前は大事だぞとか、スタァじゃなくて友人としてはカズオだろとか、そういうことなんじゃないかと思うんです。そういうこと言いそう。(どこかで公式から答えが出ていたらごめんなさい、無知なので教えてください。)でも、そういう「考えてのカズオ呼び」みたいなものを飛び越えて「これはスタァの十王院カケルなのだ!」と熱い気持ちから思わず叫んでしまった「いいぞカケルー!」が最高で…カケル…ジャンプも飛んだし、立派なスタァなんやで…

ラストシーン、レオくんに抱きつかれ、仲間に囲まれたカケル、笑顔とは慈しむような、優しい、包み込むような顔をしていましたね…写真にしたい、引き伸ばして額縁に入れて壁に飾りたい。アニメ版ではそのあとにこっと笑うラストに変わっていましたが、あれはどういう意図なのかな…いや、どっちも好きです。でも額縁に入れたいのは笑顔になる前の顔の方。


ここまで長々と感想書いて来ましたが、それでも、今までの2人に比べて明らかに「薄い」回だったという印象はやはり拭えません。一言で言えば、食事もお風呂も見てない。

カケルの過去語りは、東京ではユキさまから、カケル自身の口からは、仲間たちから遠く離れたマダガスカルにおいて、メリナ(とリビングストンさん)という初めて会った人に対するものでした。カケルが腹を割って仲間たちに本音を話す、情けないところを誰かに見せる機会はありませんでした。カケルは個人的に階段をひとつ登った感はありますが、それはメリナやリビングストンさんの力を借りたもので、6人との共同作業はありません。劇場で見たときは、なんだかなーもうちょっとなーと思ったのが正直な感想ですが、今はもうわたしは第4章を見た世界線に来てしまったので、そういうこともありなのかなと思っています。まだ7人を強くする余地を残しているのだと。まぁ分からないですが。でもやっぱり、カケルがこれからエデロの仲間とぶつかったり本音を話したり、もっとたくさんジャンプを跳んだりするところ見たいので、やっぱり続き見たいな…監督…2期を…2期をお願いします…